「歩き 考え 学ぶ」の理念の下、人間力を培う教育を進めます。
朝のウォーキングから放課後の「菅生タイム」まで、菅生の環境を生かした特色ある活動を展開します。学舎「学びの城」には、朝から晩まで元気な児童の声がこだまします。

カテゴリ:校長日記

2018年 03月 01日(木)

校長便り 3月
マラソン大会で見えたもの

 菅生の山里にも、いよいよ春の気配が近寄ってきました。校庭の菜園にはつい先日までは毎朝霜柱が立っていました。子ども達はバスから降りてくると、我先にそれを踏みつけて楽しんでいましたが、ふと目を凝らすと畑のあちらこちらにオオイヌフグリやスズメノカタビラ等の草が生える季節になりました。
 さて、今年も恒例のマラソン大会がありました。2月に入って練習が始まったものの1月の降雪で日陰には雪が残り、ままならない日が続きました。それでも初等グランドをウォーキングの時間に走り、マラソンカードに色を塗り、練習を積み重ねました。初めは2〜3周でハアハアしていた下級生も日に日に走る距離を増やしていきました。もちろん走ることが苦手のお友達もいます。でも、素晴らしいのは、誰も手を抜かず、自分のペースで走り通していたことです。苦手な子に優しい声をかけ、他の走者の邪魔にならないよう気遣いのできるお友達がたくさんいました。教員も得意な児童を更にリードするように走る担任もあれば、不得意な児童と併走し励ます教員もいました。
 そして、本番。春を思わせる陽射しが注ぎ、キリッとした空気の中いやおうなく緊張感が高まってきました。ピストルの音が響き、学年毎に一斉のスタート。
自分なりの走りができたお友達、ゴール直前で抜かされたお友達、前日まで体調不良で十分に力が出せなかったお友達、転んでしまったけれど痛い足を我慢して最後まで走り通したお友達、みんな自分なりに精一杯走りました。そして、その全員に惜しみない拍手が贈られ、「がんばれ、がんばれ!」の声がグランドに響きわたりました。保護者のみなさんからも大きな声援をいただき子ども達もずいぶん力を得たことと思います。悔し涙もありましたが、私にはとてもキラキラと輝いて見えました。
 マラソン大会を終え、あらためて菅生学園の児童の素晴らしさに気づきました。得意不得意にかかわらず、自分の今出せる力をすべて出し切り、ベストを尽くす児童ばかりです。他を見下すことなく、それぞれの良さを認め合い、励ます児童がたくさんいます。このような子ども達こそ、グローバル社会で幸せに生きていくのだと信じています。早朝よりお手伝いいただきました父母の会はじめ保護者の皆様、本当にありがとうございました。

今月の俳句
         囀(さえず)りをこぼさじと抱(だ)く大樹かな 
                             星野立子
2018年 01月 31日(水)

2月 校長便り
                    雪化粧

 1月22日は東京地方も大雪となりました。菅生にも25センチほどの積雪がありました。登下校を時差登校や早帰りとしましたが、それでも児童のみなさんや保護者の方々にはたいへんご迷惑をおかけしました。
 万葉の昔から“雪”は文学に数多く詠まれてきました。「田子の浦ゆうち出でてみれば見れば真白にぞ 富士の高嶺に雪は降りける」(山部赤人) また、清少納言の『枕草子』はあまりにも有名です。「雪の降りたるは いふべきにもあらず」(雪が降っている朝は、言うまでもなく素晴らしい)とあるように、雪の降った朝は世の中のけがれをすべて消し去ってくれ、清らかな空気で満たされます。23日の菅生の朝も 太陽の陽射しがまぶしく、綿雪の表面はキラキラ輝いていました。子ども達は、早く雪遊びがしたくて、担任の先生の手を引き初等グランドに一目散。雪だるまに雪合戦、久しぶりの雪を大いに満喫していました。自然界に純白のものはそう多くはなく、白はたいへん尊い色でした。光をも反射する白は、朝廷では最高位の衣装にのみ使われ、我が国では白蛇・白雉・白鹿などは神の使いと信じられています。お隣中国でも白虎は四神の1つです。
 一方、“雪”には厳しさもあります。高村光太郎の詩に『冬が来た』があります。「きっぱりと冬がきた」 「きりきりともみ込むような冬が来た」 「刃物のやうな冬が来た」に表れているように、覚悟をもって冬を迎え、その厳しい精神性で己を鍛えるぞという決意の詩です。寒くてうっとうしくなる雪ですが、これを超越することで強い意志が育まれるのでしょう。そういえば、雪の多い北陸地方や東北地方の人は我慢強いといわれるのもそのためかもしれません。いずれにしても、四季のある我が国では、夏は夏の、冬は冬の厳しさをしなやかに受け入れ、春の訪れや実りの秋を心待ちにしてきました。菅生の里では、この四季がより一層身近に感じられ、瑞々しい感性が育まれます。
辛い冬ですが、その分春の喜びが倍増します。ポケットから手を出し、元気に過ごしましょう。

今月の俳句
雪とけて村一(いっ)ぱいの子ども哉
                            小林一茶
2018年 01月 09日(火)

1月 学校便り
   心の涵養(かんよう)とAI技術

 あけましておめでとうございます。児童・保護者の皆様には穏やかな新年をお迎えのことと存じます。子ども達の頑張りと父母の会はじめ保護者の皆様のご協力により、初等学校の教育内容は益々充実したものとなってまいりました。英語活動や漢字習得は本校の大きな柱の一つですが、着実な成果を見ることができました。一方、子ども達の人間性や社会性を育む教育として学校行事や校外学習があります。学習発表会の大成功はもちろんですが、その後もイオンモールでのダンス発表、5年生による人見記念講堂やキララホールでの合唱も菅生学園らしい清々しいステージでした。朝の始業前、教師と一体となり、より良いものを目指そうとする姿勢は、何事にも通じるとっても大切な精神です。
 さて、われわれの人間社会は狩猟→農耕→工業→情報社会へと変遷し、次は「超スマート社会」となるといわれています。あふれるデータ(情報)を分析する作業は「人」には負担が大きく、AIいわゆる人工知能が担います。このビックデータをロボット(AI)が解析し、「人」にフィードバックされることにより、さまざまな分野で革命的発展が起こります。そして、この発展が国(言語)・文化・年齢・性別・経済による差別障害をなくし、社会的課題の解決をもたらすことでしょう。
 ロボットの台頭により、これまで「人」が行ってきた日々の煩雑さから解放され、より人間らしい余裕のある豊かな生活を送ることが可能になります。本校はその時のために、何事にも他と協働の精神で高みを目指す心を学校生活のあらゆる場面で育成します。AIがどれだけ発展してもそれを使うのは「人」です。原子力が両刃の剣であるように、大切なのは道具を使う「人」の心です。道具は生活を便利で快適なものにしてくれる一方、人を傷つけもします。スマートフォンのメール1つも例外ではありません。これからの未来を築く子ども達が、AIの生む余裕を正しく使い、幸せな人生を送ることを、年頭にあたり切に願います。

今月の短歌

 AIと仲良く暮らす未来あり 
                  その豊かさを地球(ほし)に広めん
                                   詠み人内緒
2017年 12月 05日(火)

12月学校便り
                   演じるということ

 先般の学習発表会には、多くの保護者の皆様のご来校を賜りましてありがとうございました。子ども達は菅生祭が終わり休む間もなく、各演目に取り組みました。まず、あらすじを捉え、役決めを行いました。ここで最初の挫折を味わった児童もいたことでしょう。誰しも悪役にはなりたくないものです。不本意なまま役を引き受けた児童もいました。でも、本番では皆すっかりなりきって見事な切られっぷりでした。これで劇は締まります。普段生活していく中で、相手の立場をふまえ演じなければならないことは間々ありますし、それで人間関係が良好に保たれます。
 演じるということは「感情の開放」などといわれます。恥ずかしいといった感情をすて、その役になりきるということで、いつもの自分とは違う自分になれ、そこから自信が生まれてきます。普段は小さな声の児童が、衣装を身に纏い、小道具を手にしたとたん、体育館に響き渡るような声で演じていたのが印象的でした。また、自分の出番ではない時も、舞台袖で大道具小道具の準備をしたり、BGMを歌ったりと大忙し。正に、みんなで一つのものを創り上げる協働学習です。教員も学年の枠を超え、一致団結。形のないところから児童も教員も試行錯誤を重ね、劇や合唱を完成させました。
 さて、この成功体験をいかに他の学校生活に活かしていくかが重要です。そういえば、1年生にはけじめが生まれ、2年生は思いやりの心が芽生えてきました。歌舞伎を演じた後の3年生の朝のご挨拶が大きくなったように思いますし、4年生の表情がとても豊かになったようにも見えます。また、5年生の英語劇は圧巻でした。一人ひとりが役回りを考え、自分なりに工夫をしていました。そして、流石は6年生、難しい「新世界」を立派に演奏してくれました。とても聞き応えがありました。
 保護者の皆様から大きな拍手をいただいた菅生学園初等学校の児童はまた一回り大きくなりました。各ご家庭におかれましては、挫けそうな時励ましていただいたり、衣装でご協力をいただいたりと、本当にありがとうございました。
この場をお借りして厚く御礼申しあげます。

             今月の俳句
 
      歓談のその真ン中のふかし藷  岡 淑子
2017年 11月 01日(水)

11月校長便り

                   体験学習


先月は1ヶ月遅れの秋の長雨で、月末には季節はずれの台風まで襲来しました。被災された方には心よりお見舞い申しあげます。季節はずれと申しましたが、嵐で退散したあの元寇も同じ10月でした。
 ところで、本学園の畑では秋野菜が収穫の時を迎えています。1・2年生はサツマイモを掘りました。約100本ものベニアズマを収穫しました。らっかせいは少しタヌキに先を越されましたが、それでもカゴがいっぱいになりました。5年生の大豆はおいしそうな枝豆になっていますが、来年の春にお味噌を作るため今は食べずに我慢です。そして、今年完成した菅生初等学校の田んぼでは、八王子産のキヌヒカリが頭を垂れています。
 さて、掘りたてのサツマイモは甘くありません。しばらく低温で保存することででん粉が糖質に変化し、甘くなります。また、らっかせい(落花生)はその名の通り黄色い花の受粉後、柄が下方に伸びて地中に潜り込み、その先の部分が膨らんで地中で結実し、ピーナッツができます。 (=地下結実性) 大豆とえだまめが同じものであるとご存じでしたでしょうか?また、キヌヒカリは八王子の産物「絹」から名付けられた稲です。このように菅生学園の「ゆたか」は体験学習の宝庫です。土を触っているときの子どもたちの表情は本当にきらきらと輝いています。
体験学習といえば、来年度実施のオーストラリア英語研修もとても有意義なプログラムです。留学すると、必ず困難にぶつかります。我慢の限界まで追い込まれることで、必死に自分の意志を相手に伝えようとします。ここで自信を持ち、生きる力が育つのです。世界のどこででも生きていけるのがグローバルということです。1週間で英語が話せるようになるわけではなく、自分で考える力が英語をはじめその後の学習に大きく影響します。現在5名の児童の参加希望がありますが、是非とも渡豪をご検討ください。カンガルーやコアラ、そして碧い海がやさしく迎えてくれます。

                   今月の俳句
 
            行く秋や手をひろげたる栗のいが  芭蕉
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